研究分担者 |
山下 裕史朗 久留米大学, 医学部, 講師 (90211630)
古賀 靖敏 久留米大学, 医学部, 教授 (00225400)
小戝 健一郎 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 教授 (90258418)
近藤 郁子 愛媛大学, 医学部衛生学, 教授 (20110489)
高嶋 幸男 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (70038743)
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研究概要 |
ヒトのRett症候群(RTT)で、methyl-CpG-binding Plotein2 (MeCP2)の変異(genotype)と臨床症状(phenotype)の相関を研究した。219例のうち145人(66.5%)のRTTで45の異なった変異が同定された。T158Mのミスセンス変異は最もcommonの変異で19.1%、次にR168X(14.8%)、R270X(13.0%)、R255X(9.6%)、R294X(6.1%)に認め、全例典型的なRTTを示した。2つのミスセンス変異R133C(33.3%)、R306C(23.3%)とナンセンス変異R294X(13.3%)は30例の非典型RTTに認められ、軽症のpreserved speech valiantに認められた。次にMeCP2-null mutationモデル動物を用いてX^-/Y(ヘミの雄)(n=17)、X/X^-(ヘテロの雌)を用いて両側線状体に定位脳手術でAd.MeCP2およびコントロールのAd.LacZを投与し、4日目、7日目、以後1週間毎にsuspension test, vertical pole test, dowel test, grooming time, wire test, tube testなどの行動観察をおこなった。Ad.LacZMeCP2^-/Ymiceはワイルドのマウスに比べ移動運動が少なかった。Ad.MeCP2処理miceは運動の改善が認められた。MeCP2^-/+miceは人のRTTに類似のモデルであるが、Ad.MeCP2治療マウスは移動運動の改善が見られ、suspension testとdowel testで顕著であった。治療効果は6週でピークに達した。自傷行動を示した全ての雌で改善が確認された。マウスのMeCP2 null-mutationモデルの治療結果からRTTは可逆性であり、治療できうる可逆性が示唆された。
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