研究概要 |
EBウイルス感染リンパ球におけるウイルス感染様式,細胞増殖様式,ウイルス抗原発現様式および宿主免疫応答についての研究を実施した. 1.潜伏関連ウイルス遺伝子の発現様式:皮膚NK/T細胞リンパ腫および慢性活動性EBウイルス感染症におけるウイルス感染NK/T細胞は,EBNA遺伝子の/Qpプロモーターを使用してEBNA1を発現し,EBNA-1とLMPを発現しているが,そのほかのウイルス抗原の発現は制限されていた(Latency II型). 2.EBウイルスDNAコピー数解析と臨床的意義:EBウイルスのEBNA1遺伝子領域を組み込んだプラスミドを作製し,EBウイルスDNAを定量的に測定できるPCR法を実施した.種痘様水庖症やNK細胞リンパ腫や蚊刺過敏症患者の末梢血におけるEBウイルス感染細胞を定量的に解析することが可能である.そのコピー数をモニターすることによって病状の進展を予測できるかどうかを検討している. 3.EBウイルス感染NK/T細胞の樹立:患者の末梢血からEBウイルス感染NK細胞株(NOY-1)とT細胞株(TOY-03)を樹立した.NOY-1の表面形質はCD2+,3-,4-,8-,56+で,IFN-γ産生株で,7.5copies/cellのEBウイルスを保持していた.TOY03はCD2+,3+,4+,8-,56-,TcRαβ+,γδ-のTh1型であった.この細胞株を用いてHLA適合ドナーにおけるCTL活性を検討している. 4.EBウイルス感染細胞クローンの解析:慢性活動性EBV感染症や蚊刺過敏症では末梢血にNK細胞増多症には優位なクローンが存在することがしばしばあるが,その他のNK,T,B細胞にもウイルスが感染していると考えられた.
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