研究課題/領域番号 |
14370262
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
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研究分担者 |
田中 勝 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40188339)
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90212563)
石河 晃 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10202988)
永尾 圭介 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40286521)
高江 雄二郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00306367)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 細胞接着 / デスモグレイン / カドヘリン / ケラチン / 天疱瘡 / 自己抗体 / アデノウイルス / 細胞骨格 |
研究概要 |
本研究では、蛍光蛋白質を用いて、表皮細胞間接着において重要な役割をするデスモゾーム関連蛋白のリアルタイムイメージング法を開発するとともに、天疱瘡における抗デスモグレイン3(Dsg3)IgG自己抗体反応後の細胞間接着におけるそれぞれの蛋白の空間的情報(細胞内局在)及び時間的情報(経時変化)を解析し、全く新しい観点からデスモゾーム関連蛋白の機能解析を行った。GFP融合ケラチン14をアデノウイルス発現系を用いて正常ヒト表皮角化細胞(NHEK細胞)に遺伝子導入したところ、導入したケラチン線維は角化細胞内で網状の構造を示すと共に、培養液中のCa濃度を上昇させることで接着面へのinsertionが見られることが明らかとなった。また角化細胞に抗Dsg3 IgG抗体を反応させたところ、角化細胞同士の接着障害が見られると共に、Dsg3の細胞内へのinternalizationおよびケラチン線維の細胞膜からのretractionが生じることが、経時的固定後の観察ならびにデルタヴィジョンを用いたリアルタイムイメージング法の両方により明らかとなった。また角化細胞における接着障害能の異なる抗Dsg3 IgG抗体を角化細胞に反応させた際、Dsg3とケラチンの挙動に違いが見られることを細胞レベルで明らかにした。本研究の成果は、天疱瘡における水疱形成機序を分子レベルで解明する上での新しい所見を得るのみならず、表皮細胞間接着の分子機構についても新しい視点を導入するものと考えられた。
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