研究課題/領域番号 |
14370266
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久下 裕司 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (70321958)
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研究分担者 |
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
飯田 靖彦 京都大学, 薬学研究科, 助手 (60252425)
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
横田 千晶 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (80300979)
関 興一 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60094835)
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キーワード | 脳虚血病態 / 分子イメージング / プロスタグランジン / シクロオキシゲナーゼ(COX-2) / ポジトロンCT(PET) / シングルフォトンCT(SPECT) |
研究概要 |
本研究では、分子生物学的研究にインビボ分子イメージングの手法を組み入れ、(1)局所脳虚血病態に対するシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の組織障害性作用と脳組織再生作用を解析し、COX-2の作用とその阻害薬の役割を明らかにすること、及び、(2)COX-2を標的とした分子イメージング法による脳虚血病態診断の可能性を探ることを目的とし、以下の検討を行った。 1.局所脳虚血モデルラットにおける脳循環代謝、神経受容体機能:COX-2発現との対比 局所脳虚血及び拡散性抑制(Spreading Depression, SD)誘発モデルラットを作成し、今回購入したレーザー血流計により血流を測定した。SD誘発モデルラットの作成には、今回購入した気動式骨手術器械を用いた。また、放射性同位元素で標識したIomazenil(IMZ)を用いて、今回購入したシールドボックス内でのオートラジオグラフィー法により神経細胞機能(中枢性ベンゾジアゼピン受容体機能)を測定し、COX2の誘導および組織傷害の進展との関連について調べた。その結果、IMZ分布が保たれた虚血領域では、DNA断片化や細胞構築の破壊は見られなかった。他方、IMZ分布の低下、すなわちベンゾジアゼピン受容体機能低下の見られない虚血領域にもCOX-2発現が認められた。 2.局所脳虚血モデルラットにおけるCOX-2,プロスタグランジン類の発現:脳血流量との対比 局所脳虚血モデルラットを作成し、COX-2 mRNA, COX-2 protein、プロスタグランジン類を測定し、脳血流量の変化と対比した。その結果、COX-2 mRNA, COX-2 proteinの発現パターンは、血流低下の著しい虚血中心部とその周辺部では明らかに異なっており、COX-2発現が虚血の程度と時間によりダイナミックに変化していることが示唆された。
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