研究課題/領域番号 |
14370269
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中野 隆史 群馬大学, 医学部, 教授 (20211427)
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研究分担者 |
秋元 哲夫 群馬大学, 医学部, 講師 (10261851)
中山 優子 群馬大学, 医学部, 講師 (00322016)
長谷川 正俊 群馬大学, 医学部, 助教授 (50251111)
石川 仁 群馬大学, 医学部, 助手 (70344918)
桜井 英幸 群馬大学, 医学部, 講師 (50235222)
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キーワード | PDEGF / Cervical Cancer / Radiation / Prognosis / iNOS / p53 |
研究概要 |
●c-erbB-2/HER2の腫瘍発現は傍大動脈リンパ節に転移を認める進行子宮頸癌に於いても予後因子である。 傍大動脈リンパ節に転移を認める進行子宮頸癌12例と治療後傍大動脈リンパ節に転移を認めた9例を対象に放射線治療後の予後とc-erbB-2/HER2の腫瘍発現との相関を検討した。c-erbB-2/HER2発現は免疫組織学的に診断した。c-erbB-2/HER2陽性腫瘍は9例あり、5年生存率は28%で、c-erbB-2/HER2陰性群のそれは52%であった。c-erbB-2/HER2はCox比例ハザードモデルで有意な予後因子となつた。結論:c-erbB-2/HER2の腫瘍発現は傍大動脈リンパ節に転移を認める進行子宮頸癌に於いても予後因子である。 ●子宮頚癌の放射線治療における血管新生因子PD-ECGFとVEGF、iNOSと予後との相関 PD-ECGF(platelet derived endothelial cell growth factor)は血管新生因子の一つであり、腫瘍の増殖や転移の促進に関与し、iNOSは窒素酸化物を生成する酵素で、腫瘍の増殖促進因子の働きがある。放射線単独治療が行われた子宮部扁平上皮癌71例と腺癌47例について、血管新生因子PD-ECGFとiNOSの発現と予後との相関を検討した。試料は、治療前に採取された組織のパラフィン包埋切片にたいし、酵素抗体法によりPD-ECGFやiNOSの発現を同定した。結果:PD-ECGFは核内と細胞質内に養成を示した。一方、iNOSは細胞質内のみ陽性であった。扁平上皮癌では、PD-ECGFは71例中40例(56%)に発現が認められ、陽性例の5年無病生存率は74%で、陰性例の40%に比べ統計学的に有意に良好であった(p=0.02)。腺癌については、PD-ECGFは47例中21例(45%)に発現が認められ、陽性例の5年無病生存率は60%で、陰性例の19%に比べ統計学的に有意に良好であった(p=0.006)。一方、iNOSは扁平上皮癌の38%に陽性であり、iNOSの陽性と陰性の腫瘍の間で有意な予後の相違が認められなかった。 結論:PD-ECG尺の発現は、子宮頚部扁平上皮癌および腺癌それぞれの放射線治療における予後因子の一つと考えられた。
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