研究課題/領域番号 |
14370277
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤原 英明 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90107102)
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研究分担者 |
村瀬 研也 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50157773)
木村 敦臣 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70303972)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 超偏極希ガス / Xe NMR / MRI / MRS / マウス / 脳機能測定 / 肺機能測定 |
研究概要 |
自作の超偏極Xe-129ガス供給装置に改良を加え、3-5%の偏極率の純Xeガスを定常的に供給できることとし、この装置を用いて麻酔した自発呼吸下のマウスについて、肺と脳を対象に種々のMRI/MRS実験を行った。得られた成果は以下の通りである。 1)マウス肺のXe-129 MRS実験では、洗い出し曲線(washout cuve)の検討を行い、Ketyの生体内不活性ガス分布の式に基づく解析を行った。肺組織表面から肺胞空洞へのXeガスの逆拡散が洗い出し曲線の傾斜に影響することを実験的に見出した。定常状態で、Xe-129信号が周期的に振動することを見出し、呼吸数に応じた振動であることを明らかとした。 2)上記逆拡散の影響を除いた測定法を開発し、これにより測定された洗い出し曲線の傾斜を支配する因子について考察を行い、3つの因子を実験的に分離決定する方法を考案した。 3)傾斜磁場エコー法を利用してマウス肺のガス信号と溶解相信号に基づく画像を別々に比較的簡便に取得することに成功した。これは肺機能評価の新規画像生成の開発につながる有望な成果である。 4)マウス脳でのXe-129の取り込みと洗い出し曲線を精密測定し解析し、分配係数λなどに文献値を引用することにより脳組織中のXe-129の緩和時間(T_1)を評価することが出来た。 5)病態マウスについては、ARDSモデルと考えられるVILIマウスを作成し、Xe-129のMRS測定を行い、洗い出し曲線(washout cuve)を健常マウスと比較した。その結果、VILIマウスでは肺のガス交換能力の低下が示唆できた。 以上のように、超偏極希ガスのMRI/MRSは肺や脳の機能測定に有用であることが実証でき、病態診断にも応用可能な基本手法の開発を行うことが出来た。
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