1 実体蛍光顕微鏡観察を行うことにより経時的に腫瘍血行動態をとらえる動物実験システムを作成した。C3Hマウスにアクリル製の自作のスキンチャンバーシステムを設置し、その後、マウス腫瘍細胞を移植することにより、腫瘍内の血行状態と蛍光物質流入時の経時的変化を観察している。 2 昨年度までにマイクロマニュピュレーションシステムを用いてマイクロカニューレを血管内に挿入し、マイクロシリンジポンプを用いて、蛍光物質および造影剤を血管内への急速ボーラス注入し、腫瘍内部での蛍光物質の集積を実体蛍光顕微鏡下で蛍光量の変化をもとに解析するシステム作りを行った。このシステムを用いて、蛍光物質および造影剤の急速注入時の最適な注入量と撮像タイミングを、経時的な蛍光発現量の変化を観察して検討している。 3 実験システム自体にも解決すべき課題が多いものの、今までの結果を参照として、血管内への急速ボーラス注入後に腫瘍細胞周囲間質に造影剤が高濃度に集積する至適タイミングにあわせて、螢光試薬あるいは遺伝子ベクター(クラゲ蛍光蛋白発現遺伝子プラスミドベクターpEGFP-N1)を血管内に急速ボーラス注入した後、自作アプリケータを用いて電気穿孔装置を用いた遺伝子導入実験を開始している。 今後、マウスの数を増やして、検討を続ける予定である。
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