研究分担者 |
豊福 不可依 九州大学, 医学部, 教授 (10117179)
徳森 謙二 九州大学, 歯学研究院, 助手 (40253463)
吉田 彰 広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (30136113)
松本 政雄 大阪大学, 大学院・医学部・保健学科, 助教授 (50149944)
兵藤 一行 九州大学, 高エネルギー加速器研究機構・物質構造研究所, 助手 (60201729)
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研究概要 |
本研究では、マンモグラフィのための新しい画像診断法の確立を目指して、大型放射光(高エネルギー加速器研機構:KEK)を利用した単色X線による超高分解能マンモグラフィの開発を目指した基礎研究を行うことを目的とした。平成14,15,16年度は、以下の研究を行った。 (1)蛍光X線による拡大光学系の設計・製作 焦点〜試料間の距離をできるだけ近づけられるように改良型蛍光X線源を設計・製作した。焦点サイズが小さくまた焦点に撮影対象物を近づけるために、測定対象物や検出器のセッティングはリモート制御で行えるようにした。この新しい蛍光X線源により、試料の超拡大撮影が短時間で行うことが可能になった。焦点サイズは、通常の臨床では得られない50,30,20,および10μmの大きさを目標とした。このうち10μmを除く他の焦点サイズを形成することが可能となった。 (2)X線スペクトル測定、評価 蛍光X線源からの蛍光X線質を測定するため、スペクトロメータ(大阪大学)を用いて測定した。また、撮影時間、撮影エネルギーなどの物理特性評価の為の撮影条件の決定を行った。 (3)画像物理特性評価 超拡大撮影における画質を評価するため、エッジ法により解像度測定を行った。また、乳房撮影用の高解像度フイルムを用いて得られた画像について各種の評価を行った。 (4)固定病理組織の超拡大高分解能マンモグラフィ 乳がんと診断された固定病理組織の超拡大高分解能マンモグラフィを行った。この組織には、微小石灰化が含れており、通常のX線マンモグラフィとの描出能や形態比較が可能である。この結果、われわれが開発した、単色X線による超高分解能マンモグラフィでは、20μm程度の解像特性が得られることが明らかになった。この大きさは、通常マンモグラフィの100〜150μmの解像限界と比べると極めて優れており,本研究で初めて20μm〜30μmのごく微小な石灰化の画像化が可能になった
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