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統合失調症の認知障害の責任部位の1つとされる内側前頭前野は、背内側視床からグルタミン酸性ニューロンの投射を受けている。背内側視床の機能を低下させると内側前頭前野と関連した作業記憶が障害されることが、動物実験により示されている。
我々は、背内側視床をイボテン酸を用いてexocitotoxicに破壊し、この破壊が、D2ドパミン受容体遮断薬反応性のモデルとされる覚醒剤による異常行動と、D2遮断薬抵抗性のモデルとされるNMDA受容体遮断薬による異常行動に与える影響を検討した。
背内側視床破壊動物では、対照群と比較して、覚醒剤による移所運動などの異常行動には変化がないが、NMDA遮断薬であるMK-801による異常行動が増強した。MK-801による異常行動増強の際には、内側前頭前野からグルタミン酸ニューロンの投射を受けている側坐核でのグルタミン酸濃度の増加が亢進していた。MK-801による移所運動惹起の責任部位は、内側前頭前野であるとの報告から、背内側視床の障害は、統合失調症患者における前頭前野の機能障害に関与している可能性が示唆される。
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