研究課題/領域番号 |
14370290
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
前田 潔 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80116251)
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研究分担者 |
山本 泰司 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00324921)
保田 稔 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50359866)
川又 敏男 神戸大学, 医学部, 教授 (70214690)
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キーワード | 痴呆 / アルツハイマー病 / 病院ネットワーク / 遺伝子研究 / 関連研究 / プレセニリン |
研究概要 |
1)痴呆ネットワークの構築についての成果 痴呆ネットワークに参加する施設の中で、検体を採取するための体制つくりと倫理委員会の開催の準備がすすんでいる。遺伝子検査のための検体の処理法と運搬法が統一された。対象疾患は症例数が多いアルツハイマー病に加えてレビー小体型痴呆のリストアップがはじまった。 2)痴呆関連遺伝子のシークエンス解析の結果 プレセニリン2遺伝子において12個の塩基置換が見つかり、そのうち10個は翻訳領域にあるがアミノ酸置換を伴なわないものや非翻訳領域にあって機能的変化には意味がないと思われるものであったが、2個が翻訳領域にありアミノ酸置換を伴なっていた。この2個の塩基置換について患者群と対照群の問で対立遺伝子の出現頻度に差があるかどうかを検討したところ有意な差が出た。これとは別にプレセニリン2遺伝子のプロモーター領域に欠失変異が報告されたため、われわれの研究室で確認実験をおこなったところ、欠失変異の出現頻度に患者群と対照群のあいだで優位の差が出た。この欠失変異はプレセニリン2の発現に影響すると考えられるので興味深い。Association studyの結果からは、アルツハイマー病の発症に対して翻訳領域のアミノ酸置換をおこす変異はdominantに、プロモーター領域の欠失変異はrecessiveにはたらくという結果であった。今後さらにデータを増やして解析を続ける予定である。 3)遺伝子の機能解析の結果 アルツハイマー病の発症に関連するという結果が出た変異について、前年にcDNAをクローン化後細胞導入して、アミロイドβ蛋白の発現量やNotch signalingに及ぼす影響を調べたが、有意な所見を得ることはできなかった。さらに機能解析研究をつづけているが、有意のデータは出ていない。
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