研究課題/領域番号 |
14370290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
前田 潔 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80116251)
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研究分担者 |
川又 敏男 神戸大学, 医学部, 教授 (70214690)
保田 稔 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50359866)
山本 泰司 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00324921)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 痴呆 / アルツハイマー病 / 病院ネットワーク / 遺伝子研究 / 関連病院 / プレセニリン |
研究概要 |
1.痴呆ネットワークの構築についての成果 平成14年から取り組んだ「もの忘れ外来ネットワーク」が確立した。運営に参加する世話人施設が神戸大学病院を中心にして公立病院8施設、私立病院6施設、その他の協力病院3施設による体制ができあがった。痴呆患者の診断、痴呆患者とボランティアの研究へリクルートの体制ができあがった。 大阪大学大学院、広島大学大学院、愛媛大学医学部を共同研究機関として解析を進めた。 2.痴呆関連遺伝子のシークエンス解析の結果 プレセニリン2遺伝子のプロモーター領域に欠失変異が報告されたため、われわれの研究室で確認実験をおこなった。アルツハイマー病230例、年齢と性別をマッチさせた対照群230例とでプレセニリン2遺伝子欠失変異の遺伝子型の出現頻度を比較すると、正常アレルホモ;正常アレル/欠失ヘテロ;欠失ホモの順にアルツハイマー病では67%、28%、5%、対照群では66%、31%、3%、欠失アレルの出現頻度ではアルツハイマー病18%、対照群19%と有意の差はなかった。この欠失変異はロシアからの報告ではアルツハイマー病において欠失変異の出現頻度が有意に高かったが、イタリアからの報告では両群で差はなかった。本研究の結果から日本においてはプレセニリン2遺伝子プロモーター領域の欠失変異はアルツハイマー病の発症に関与していないと考えられる。ただしこの欠失はプレセニリン2の発現に影響するとする報告があり、プレセニリン2は家族性アルツハイマー病の原因遺伝子であるので、弧発性アルツハイマー病との関連においてもさらなる研究が必要と考えられる。 3.遺伝子の機能解析の結果 アルツハイマー病の発症に関連するという結果が出た変異について、前年にcDNAをクローン化後細胞導入して、アミロイドβ蛋白の発現量やNotch signalingに及ぼす影響を調べたが、有意な所見を得ることはできなかった。さらに機能解析研究をつづけているが、有意のデータは出ていない。
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