研究概要 |
平成16年度研究報告書 臨床研究: DLBとATDとの臨床鑑別を検討し、臨床像のみではなく、髄液所見、画像所見などを加えて総合的に鑑別すべきことを明らかにした。また、三施設で行ったDLBへのdonepezilの治験結果ではdonepezilはDLBの幻視などのBPSDに効果があることが明らかになり、論文を外国誌に投稿中である。 臨床病理学的研究 われわれが今までに経験しえたレビー小体病79剖検例の検討を行い、臨床的に15例が痴呆を伴わないパーキンソン病(PD)、24例が痴呆を伴うPD(PDD)、40例が痴呆を主体とするDLBと臨床診断でき、特にPDDの臨床病理を詳細に検討した結果(特に、PDD例はすべて病理学的にはDLBと診断しえること)を、神経学会のパネルヂスカッションで報告し、さらにAD/PD国際会議のシンポジウムにて報告した。 神経病理学的研究 われわれは従来DLBをpure form, common formに分けていたが、common formからアルツハイマー病(AD)に相当するAD病変を有するものをAD formとして分離し、DLBをpure form, common form, AD formの三型に分類し、これらとADの病理像を詳細に検討し、DLBがADとは病理学的に明白に区別しうることを明らかにし、論文報告するとともに、AD/PD国際会議にて報告した。
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