平成16年度に横浜市立大学医学部倫理委員会において本研究の実施が承認された。横浜市立大学附属病院神経科を受診した統合失調症患者15人および非統合失調症7人から研究の参加の同意書を得た。同附属病院放射線科の協力を得て現在までに統合失調症患者11人および非統合失調症3人から解析用の高解像度MRIの記録を終了し、研究室内のデータベースに画像を蓄積している。すでに9人の統合失調症患者の左右海馬および扁桃体の形態解析をおこなっている。今後、非統合失調症および健常者からの記録を行い、症例数を増やしていく予定である。また、側頭葉における、上側頭回、ヘシュル回、側頭平面などの容積測定を行い統合失調症群と他の群との統計学的な比較を行う。さらに、抗精神病薬の投与量や種類、治療反応性などを評価し、形態解析結果との関係を調べる。 また、機能評価に関して、脳波を用いた事象関連電位を実施する予定であったが.当附属病院が所有する脳波解析装置では不十分であるため、現在再検討を行っている。その間、心理検査によって、認知機能の評価を行い、脳機能を反映した客観的評価を実施している。特にロールシャッハ法や記憶検査法によって、思考過程、認知、記憶などを評価している。これらの指標と脳形態解析によって得られた結果との相関を調べる予定である。
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