研究課題/領域番号 |
14370300
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
千葉 滋 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60212049)
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研究分担者 |
神田 善伸 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30334379)
本倉 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00192823)
小川 誠司 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授(常勤形態) (60292900)
熊野 恵城 東京大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
高橋 強志 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70332608)
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キーワード | Notchシグナル / 造血幹細胞 / 免疫調節 / GVHD / T細胞 |
研究概要 |
Notchシグナルによる造血幹細胞からリンパ球への分化の制御機構、および、成熟リンパ球機能の制御機構を明らかにし、免疫調節、特に同種造血幹細胞移植後のGVHD制御法の開発に資することを目的とした。 胎児期造血幹細胞を、M-CSF欠損マウス胎児から樹立されたOP-9ストローマ細胞と共培養することにより、骨髄系細胞やB細胞の出現を見ることができる。しかしこの系ではT細胞を産生させることはできなかった。造血幹細胞からT細胞をin vitroで誘導するシステムとしては、胎児胸腺を用いた組織培養法(FTOC)だけが確立していた。昨年報告者らは共同研究により、胎児肝由来造血幹細胞に活性化型Notchを強制発現させてOP-9と共培養することにより、CD4+CD8+細胞に分化することを見出した。その後、OP-9上のNotchリガンドの発現を解析したところ、Jagged1は発現しており、Delta1は発現していないことを見いだしたため、全長型Delta1を発現するOP-9を作成した。この細胞上で胎児肝細胞を共培養したところ、CD4+CD8+細胞に分化した。すなわち、同じストローマやサイトカインの条件で、造血肝細胞からT前駆細胞/B前駆細胞への分化の決定が、OP-9上のDelta1発現の有無で決定されることが明らかになった。現在、Delta1-NotchシステムがT/Bの方向生決定を行う転写因子制御を調べている。 一方、NotchシグナルがT細胞活性化を抑制することを、共同研究により見出した。続いて、全長型Delta1およびドミナントネガティブ型Delta1をclassIおよびclassIIプロモーター下で発現するトランスジェニックマウスを作成した。現在、これらのマウスをドナーあるいはレシピエントとして使用し、GVHDモデルにおいてGVHDがどのように修飾されるか検討している。
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