研究課題
私共は、URAT1のSNP変異と血清尿酸濃度との関連を検討した。当院の人間ドック受診者のURAT1の変異[Ex3(C217;Thr→Met)(C→T)とEx4(G258A;Trp→stop)(G→A)]についてLight-Cyclerを用いて検出した。その結果、Ex3 (C217;Thr→Met)(C→T)はwildが163例、heteroが1例、homoが0例であった。Ex4 (G258A;Trp→stop) (G→A)は、wildが161例、heteroが3例、homoが0例であった。血清尿酸濃度は、Ex3のheteroが4.1mg/dl、Ex4のheteroが5.3mg/dl、4.2mg/dl、4.5mg/dlであり、heteroの症例では低尿酸血症は認められなかった。腎臓の近位尿細管の基底側膜に存在しているヒトOAT1はサイアザイド系利尿薬の取り込みに関与していること、ヒトOAT3はループ利尿薬の取り込みに関与していること、さらにヒトOAT3によって取り込まれたループ利尿薬のブメタニドは近位尿細管の管腔則膜に存在しているヒトOAT4によって尿中に排泄されることを明らかにした。また近位尿細管のS2細胞に発現させたヒトOCT3はキニジン、リドカイン、ジソピラミド、プロカインアミドなどの抗不整脈薬の輸送に関与していることを明らかにした。抗不整脈薬の腎臓からの尿中排泄にヒトOCT3が関与している。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
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