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2002 年度 実績報告書

膵β細胞でのWFS1の機能とインスリン分泌調節におけるGDHの役割についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 14370338
研究機関山口大学

研究代表者

谷澤 幸生  山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00217142)

研究分担者 太田 康晴  山口大学, 医学部附属病院, 医員(臨床)
湯尻 俊昭  山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80346551)
松原 淳  山口大学, 医学部附属病院, 助手 (40311815)
キーワード糖尿病 / インスリン分泌 / Wolfram症候群 / 小胞体ストレス / グルタミン酸脱水素酵素 / 低血糖症
研究概要

Wolfram症候群は若年発症のインスリン分泌不全による糖尿病と視神経萎縮を主徴とする遺伝性症候群で原因遺伝子WFS1の変異により発症する。WFS1蛋白は小胞体に局在するがその機能は知られていない。一方で最近、小胞体ストレスがβ細胞のアポトーシスを誘導するとの報告がある。膵β細胞腫瘍由来のMIN6細胞において小胞体ストレスを誘導し、アポトーシス及びWFS1発現の変化を検討した。MIN6細胞をThapsigargin 1μmol/L、またはTunicamycin 10μg/ml存在下で培養し、小胞体ストレスを誘導した。刺激後6、12、24時間後においてCHOP mRNAの発現量は増加し、Caspase3の活性化が認められた。この条件でWFS1mRNAの発現量は6および12時間後に2〜3倍に増加した。小胞体ストレスあるいはそれによって引き起こされるアポトーシスとWFS1遺伝子発現の関連が示唆された。
グルタミン酸脱水素酵素(GDH)遺伝子の変異により、高アンモニア血症を伴う新生児低血糖症(HI/HA症候群)が発症することが知られている。この疾患の患者で同定した恒常活性型変異GDH(GDH266C)をレトロウイルスベクター及びアデノウイルスを用いてMIN6細胞と膵ラ氏島に過剰発現し、GDHによるインスリン分泌調節メカニズムを直接検討した。グルタミンは細胞に取り込まれグルタミン酸に変換される。対照ではグルタミン単独刺激によるインスリン分泌は認めないが、GDH過剰発現MIN6細胞及び膵ラ氏島では濃度依存的にインスリン分泌が増加し、このとき,グルタミン酸の酸化も亢進していた。興味深いことに、低濃度グルコース存在下でGDH過剰発現MIN6細胞及び膵ラ氏島からのインスリン分泌も対象に比し亢進し、それは内在性グルタミン酸の酸化に相関すると考えられた。この結果よりGDHの活性亢進は、グルタミン酸の酸化亢進を通してインスリン分泌を促進すると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tanizawa Y: "Unregulated elevation of glutamate dehydrogenase activity induces glutamine-stimulated insulin secretion"Diabetes. 51. 712-717 (2002)

  • [文献書誌] Yujiri T: "MEK kinase 1 interacts with focal adhesion kinase and regulates insulin receptor substrate-1 expression"J Biol Chem.. 278. 3846-3851 (2003)

  • [文献書誌] 谷澤 幸生: "糖尿病発症の遺伝因子解析"日本老年医学会雑誌. 39. 375-377 (2002)

  • [文献書誌] 谷澤 幸生: "遺伝的症候群に伴う糖尿病の発生機序 Wolfram症候群"内分泌・糖尿病科. 15. 561-567 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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