研究分担者 |
植田 浩平 山口大学, 保健管理センター, 助手 (50325221)
湯尻 俊昭 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80346551)
松原 淳 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (40311815)
田部 勝也 山口大学, 医学部附属病院, 医員(臨床)
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研究概要 |
Wolfram症候群は若年発症のインスリン分泌不全による糖尿病と視神経萎縮を主徴とする遺伝性症候群で原因遺伝子WFS1の変異により発症する。我々は同遺伝子によりコードされるWFS1蛋白が小胞体に局在する膜蛋白であることを示したが,最近,(カルシウム)イオンチャネルであることが示唆されている.しかし,その機能や異常によりWolfram症候群が発症するメカニズムは大部分不明である.我々はWolfram症候群の発症と小胞体ストレスとの関連に着目した.WFS1の発現が薬剤性の小胞体ストレスによりが誘導されることを見出しているが、さらに小胞体ストレスによるβ細胞障害モデルであるakita mouse由来の膵β細胞株においてもWFS1の発現はmRNAで2倍程度に、タンパク発現量では4〜5倍以上に増加していた。この際,同細胞では,BIPの発現が増加しており、恒常的な小胞体ストレスの存在が示唆された.ヒトWFS1遺伝子の転写開始点より約3kbp上流の領域を用いたluciferase-reporterによる検討で,小胞体ストレスによりWFS1は転写レベルで発現誘導されることを明らかにした. グルタミン酸脱水素酵素(GDH)遺伝子の変異により、高アンモニア血症を伴う新生児低血糖症(HI/HA症候群)が発症する。この疾患の患者で同定した恒常活性型変異GDH(GDH266C)をレトロウイルスベクター及びアデノウイルスを用いてMIN6細胞と膵ラ氏島に過剰発現し、GDHに上るインスリン分泌調節メカニズムを直接検討した。グルタミンは細胞に取り込まれグルタミン酸に変換される。対照ではグルタミン単独刺激によるインスリン分泌は認めないが、GDH過剰発現MIN6細胞及び膵ラ氏島では濃度依存的にインスリン分泌が増加し、このとき,グルタミン酸の酸化も亢進していた。興味深いことに、低濃度グルコース存在下でGDH過剰発現MIN6細胞及び膵ラ氏島からのインスリン分泌も対照に比し亢進していた.その際,内在性グルタミン酸の酸化もGDH過剰発現MIN6で増加しており,インスリン分泌はグルタミン酸の酸化に相関すると考えられた。この結果よりGDHの活性亢進は、グルタミン酸の酸化亢進を通してインスリン分泌を促進すると考えられた。
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