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2003 年度 実績報告書

劇症1型糖尿病の発症機序

研究課題

研究課題/領域番号 14370342
研究機関大阪医科大学

研究代表者

花房 俊昭  大阪医科大学, 医学部, 教授 (60164886)

研究分担者 宮川 潤一郎  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00127721)
寺前 純吾  大阪医科大学, 医学部, 助手 (90351395)
今川 彰久  大阪医科大学, 医学部, 助手
キーワード1型糖尿病 / 劇症1型糖尿病 / ウイルス / 自己免疫 / HLA / α細胞 / β細胞 / 膵島炎
研究概要

患者血清中のウイルス抗体価の測定
現在治療中および新規に発症した劇症1型糖尿病患者血清において、従来、1型糖尿病との関連が指摘されているウイルス(コクサッキーB4ウイルス、風疹ウイルス、など)を中心に、既知のウイルスの抗体価を経時的に測定した。その結果、一部の患者では、ヒトヘルペスウイルス6(HHV6)の抗体価の上昇が認められ、その患者においてはHHV6による感染が劇症1型糖尿病の発症に関与したものと推定された。しかし、それ以外の患者においては、検索した範囲で抗体価が有意の上昇を示したウイルスはなかった。
患者膵の形態学的分析
劇症1型糖尿病患者と自己免疫性1型糖尿病患者の生検膵組織を用いて、インスリン分泌細胞(β細胞)とグルカゴン分泌細胞(α細胞)の破壊程度を比較した。その結果、劇症型ではβ、αの両者が著減しているのに対し、自己免疫型ではβのみが著減していることが明らかになった。このことは、自己免疫性1型糖尿病では膵β細胞が特異的に破壊されるのに対し、劇症1型糖尿病では膵α、β両細胞がともに破壊されることを示しており、両タイプが成因において異なることが示唆された。
劇症1型糖尿病の発症に関与するHLAの同定
HLAについては、劇症型においてDR4は高頻度にみられるが、DR9は対照群と差がないこと、また、DR2は劇症型では低頻度であるものの自己免疫性より多いことが判明した。すなわち、劇症1型糖尿病ではDR4が強く発症促進的に作用すること、また、DR2の発症抑止作用は自己免疫性1型糖尿病に比べて弱いことが明らかになった。その結果、劇症1型糖尿病の発症に関与するHLAタイプは、自己免疫性1型糖尿病の発症促進的に作用するHLAタイプとは異なることが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Imagawa A, Hanafusa T, et al.: "Fulminant type 1 diabetes - a nationwide survey in Japan."Diabetes Care. 26・8. 2345-2352 (2003)

  • [文献書誌] 花房 俊昭: "劇症1型糖尿病"日本医師会雑誌. 130・8. 250 (2003)

  • [文献書誌] 花房 俊昭: "1型糖尿病の理解の新しい展開"Medical Practice. 20・5. 807 (2003)

  • [文献書誌] 花房 俊昭, 今川 彰久: "劇症1型糖尿病"治療. 85・6. 2002-2003 (2003)

  • [文献書誌] 花房 俊昭, 今川 彰久: "劇症1型糖尿病"医学のあゆみ. 207・9. 708-713 (2003)

  • [文献書誌] 花房 俊昭, 今川 彰久: "劇症1型糖尿病-臨床と研究の最新情報"感染・炎症・免疫. 33・4. 309-311 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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