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2004 年度 実績報告書

侵襲による生体反応に対する遺伝子分析に基づく個別化対策に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14370348
研究機関千葉大学

研究代表者

平澤 博之  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80114320)

研究分担者 織田 成人  千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90204205)
志賀 英敏  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20282478)
松田 兼一  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60282480)
渡邉 栄三  千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40375639)
キーワードサイトカイン / 遺伝子多型 / 全身性炎症反応症候群 / 多臓器不全 / 高サイトカイン血症 / Critical Care / Tailor-made医療
研究概要

重症患者の血中サイトカイン動態に遺伝子多型が如何に関与しているかを検討するためにintensive care unit (ICU)経過中IL-6血中濃度が10000pg/mL以上まで異常に上昇した症例群(A群)と,10000pg/mL未満にとどまった症例群(B群)とに分類し侵襲早期に産生されるTNF-αおよびIL-1ra遺伝子の多型解析を行った.その結果A群において特定のgenotype (TNF-αの-308 base pair (bp)上流に位置するG>Aのsingle nucleotide polymorphism (SNP)(TNF-α-308^*G/A)におけるTNF-α308^*A, IL-1β-511^*C/TにおけるIL-1β-511^*T, IL-1 receptor antagonist (IL-1ra)の2^<nd> intronに存在するvarious number of tandem repeat (VNTR ; IL-1raRN^*1-5)におけるIL-1raRN^*2 or RN^*3)が高頻度に認められ,これらサイトカイン血中濃度異常高値症例において高率に認められたあるgenotypeのサイトカイン産生能に対する関与が示唆された.さらにそれらhigh-risk alleleを有する患者の血中サイトカイン動態は,high-risk alleleを有さない患者に比し,我々がサイトカイン・モジュレータとしての有用性を主張してきたPMMA膜hemofilterを用いた持続的血液濾過透析でも制御困難であり,予後も不良であった.
一方,IL-6の主要な転写因子のコンセンサス配列近傍に位置するIL-6-174^*G/Cについては,IL-6-174^*C carrierは一例も存在しなかった.またIL-6-596^*G/Aにおいても,IL-6-596^*A carrierは存在しなかった.今回検討した遺伝子多型のうち,TNF-α-308^*G/A, IL-6-174^*G/C,およびIL-6-596^*G/Aは,Caucasianを対象とした既報との間にallele頻度について大きな較差が認められた.これは遺伝子多型によって人種間格差が存在することを示す一例である.一方で,このように臨床経過に大きな影響を及ぼすSNPは患者の重症化を予知する上で有用な指標となり得る.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Extremely high interleukin-6 blood levels and outcome in the critically III are associated with tumor necrosis factor- and interleukin-1-related gene polymorphisms2005

    • 著者名/発表者名
      Eizo Watanabe, Hiroyuki Hirasawa, Shigeto Oda, Kenichi Matsuda, et al.
    • 雑誌名

      Critical Care Medicine 33

      ページ: 89-97

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] SIRS・sepsisの概念と定義および将来の展望2004

    • 著者名/発表者名
      平澤博之, 織田成人, 松田兼一, 渡邊栄三
    • 雑誌名

      日本臨牀 62

      ページ: 2177-2183

  • [雑誌論文] サイトカイン産生に関する遺伝子多型と新治療戦略2004

    • 著者名/発表者名
      渡邊栄三, 平澤博之, 松田兼一
    • 雑誌名

      日本臨牀 62

      ページ: 2317-2322

  • [雑誌論文] SIRS・Shock患者におけるCytokine遺伝子多型別にみたCytokine血中濃度および臨床経過の検討2004

    • 著者名/発表者名
      渡邊栄三, 平澤博之, 織田成人, 志賀英敏, 松田兼一, 仲村将高, 安部隆三, 中田孝明
    • 雑誌名

      日本Shock学会雑誌 19

      ページ: 43-49

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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