研究概要 |
実験的検討:肝移植モデルを作成し、cDNAマイクロアレイ解析によって両者におけるリンパ球活性化関連遺伝子(B7/CD28,CD40L/CD40,ICAM-1/LFA-1,CTLA-4など)、サイトカイン遺伝子(インターロイキン、TNF-alpha,TGF-alpha,TGF-beta,IP-10,MIP-1alpha,MIP-1beta,RANTESなど)、アポトーシス関連遺伝子(FasL/Fas,Bcl-2,Bcl-xL,A20など)、および、いわゆるProtective gene(heme-oxygenase-1など)の発現変化に関する検討を継続した。また、Lewisラット→SDラット肝移植モデルにおいて、従来の免疫抑制剤であるcyclosporineやtacrolimusに加えて、今後その有用性が期待されるFTY-720,CTLA-4Ig,抗IL-2レセプター抗体を投与し、それぞれの作用機序をcDNAマイクロアレイ解析、RT-PCRによって解析した。その結果、FTY-720の拒絶反応抑制に関する有用性が確認された。 臨床的検討:生体および脳死肝移植を行う症例のうち、適切なインフォームド・コンセントが得られた症例において、肝移植後に拒絶反応をきたした症例ときたさなかった症例との間で、肝移植後の肝組織内においてみられる遺伝子発現の差異について、cDNAマイクロアレイ解析、real time PCRで比較した。その結果、肝炎において、Tリンパ球のFasL発現がC型肝炎再発のマーカーとなりうることが示された。
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