研究課題
基盤研究(B)
研究の目的:オープンMR装置により、生体情報を可視化したリアルタイム画像を作成し、位置情報に温度や速度などの付加価値を有するリアルタイムの情報を統合させた画像を利用して手術を施行するナビゲーション外科を構築する。このシステムを用いて、描出困難な腫瘍に対する治療を可能にするとともに、低侵襲治療への臨床応用を行うことを目的とする。研究の経過:マイクロ波凝固装置の特性を研究すると共に、ナビゲーション外科の基本となる各種ソフトウェアの開発を行ってきた。マイクロ波凝固装置では、凝固壊死のみならず、組織の固定作用があることを明らかにし、オープンMR装置における治療法を確立した。このことを利用し、リアルタイムMR画像表示機能の開発によりMR環境下手術が可能になった。その後、リアルタイム画像とそれに同期したバーチャル画像の同一画面表示を可能にし、空間ナビゲーション機能としては極めて高度な治療法を開発し、描出困難な腫瘍に対する治療も容易になった。さらに、リアルタイム温度画像表示機能・リアルタイム直交二面画像表示機能の開発により、手術中の内部変化の3次元的リアルタイム表示が可能になった。また、呼吸同期機能を付加することにより、温度情報の可視化はさらに容易になった。治療域・未治療域を色分けし、治療の進行状況を表示する「フット・プリンティング」機能を開発し臨床応用をおこなった。今年度に開発した「シリンダービーム・ナビゲーションを用いたロックオンシステム」機能は、治療法全体を誘導するシステムで、この概念はナビゲーション外科の到達点の一つである。平面画像を対象とした二次元画像によるナビゲーションシステムの開発を終え、空間画像を用いた三次元画像によるナビゲーションを開発し、さらに時間軸を有する四次元画像による手術支援ナビゲーションの開発をおこなった。描出困難な腫瘍に対する治療を可能にし、高精度低侵襲治療をめざすナビゲーション外科の構築をおこなった。
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