研究課題/領域番号 |
14370354
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河本 泉 京都大学, 医学研究科, 助手 (90335258)
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研究分担者 |
土井 隆一郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (20301236)
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
森 章 京都大学, 医学研究科, 助手 (60324646)
渡辺 剛 京都大学, 医学研究科, 助手 (50293866)
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キーワード | 膵・消化管 / 内分泌腫瘍 / インスリノーマ / ガストリノーマ / カルシウム感受性受容体 / セクレチン受容体 |
研究概要 |
膵・消化管内分泌腫瘍は比較的稀な疾患であり、そのホルモン異常分泌機構及び腫瘍化機構はいまだ不明である。本研究の目的はこれら、ホルモン異常分泌機構と腫瘍化機構を明らかにすることである。われわれはすでにインスリノーマにおいてカルシウムに対する反応が正常のB細胞と異なることを示した。また、この反応はカルシウム感受性受容体を介する反応であることを明らかにした。今回、カルシウム感受性受容体に着目しこの反応が正常B細胞とどのように異なるかについて研究を行い正常B細胞とインスリノーマ細胞ではカルシウム感受性受容体のシグナル伝達機構が異なっていることを明らかにした。(Pancreas:26(2);2003)一方、正常B細胞ではセクレチンがインスリン分泌促進に働くのに対して、インスリノーマ細胞ではこのような働きがないことが分かっていた。これに対して、まずセクレチン受容体の発現について独自に抗体を作製し検討を行った。結果、セクレチン受容体は膵・消化管内分泌腫瘍と正常の膵ラ島、消化管G細胞に発現しセカンドメッセンジャーとしてカルシウムが働いていることもわかった。今後、セクレチン受容体のシグナル伝達機構をわらに検討する。また、腫瘍化機構に関しては家族性(MEN-1に伴う)膵内分泌腫瘍以外にも、散発性の膵内分泌腫瘍でmeninの異常を見つけた。この遺伝子異常の散発性膵内分泌腫瘍における意義を検討する。 抗腫瘍薬効果の分子生物学的検討に関しては、現在モデルとなるマウスの増殖を進めている。このマウスは肝転移をきたしたヒト・ガストリノーマを採取しマウスに移植することで作成した。現在、ガストリノーマ以外の膵・消化管内分泌腫瘍でも樹立を試みている。マウスの数がそろった段階で抗腫瘍薬を投与し、腫瘍における変化をマイクロアレイ等の手法で解析する予定である。
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