研究課題/領域番号 |
14370354
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河本 泉 京都大学, 医学研究科, 助手 (90335258)
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研究分担者 |
土井 隆一郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (20301236)
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
森 章 京都大学, 医学研究科, 助手 (60324646)
渡辺 剛 京都大学, 医学研究科, 助手 (50293866)
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キーワード | ガストリノーマ / 腫瘍化 / menin / マイクロアレイ |
研究概要 |
膵・消化管内分泌腫瘍は比較的稀な疾患であり、そのホルモン異常分泌機構及び腫瘍化機構はいまだ不明である。本研究の目的はこれら、ホルモン異常分泌機構と腫瘍化機構を明らかにすることである。ガストリノーマでの転移磁構は殆ど解明されていない。microarrayを用い、十二指腸ガストリノーマにおけるリンパ節転移責任遺伝子を検討した。解析のためデザインされた解析ソフトであるmicroarray Significance Analysis of Microarraysを用い、遺伝子候補を抽出した。SAMにより抽出した92個の遺伝子のうち74個はLN(+)群で発現が減弱していた。CEBPA、MCL1などの細胞周期関連因子、PAK1などの細胞接着分子、NOTCH2などの細胞分化関連因子、MADH2などの転写因子、UBEILなどの癌抑制因子で減弱を認めた。18遺伝子の発現増強を認めた。今回抽出した遺伝子は、ガストリノマで発現・機能解析がなされていない因子が含まれており更なる検討を行う。一方、昨年MEN-1以外のガストリノーマにおいてもmeninの異常を認めた。さらに症例を増やし検討を行ったが、散発性ガストリノーマ組織8/13(61.5%)(P:4/7,D:3/5,M:1/1)にmenin mutationを認めた。3症例に同一のmutationを認めた。しかしmenin mutationの有無と原発巣・肝転移・リンパ節転移の間には明らかな相関は認めなかった。MEN-1における傾向とは異なり、散発性十二指腸ガストリノーマでmenin mutationの有るものは、単発性の腫瘍の傾向があった。散発性ガストリノーマにおいてもMEN1遺伝子の異常が腫瘍化に関連している可能性が示されたが、その異常と臨床病理学的な関連については更なる検討を予定している。
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