研究課題
基盤研究(B)
1)星細胞活性化とチオレドキシンとの関連:チオレドキシン強発現のtransgenic mouse(Tg mouse)とwild type mouse(WT mouse)にチオアセトアミドを投与して肝硬変を作成したが、Tg mouseでは肝線維化の程度が軽微であることが明らかとなった。過酸化脂質malondialdehydeの蓄積量をみるとTg mouseでは有意に少なく、この効果はチオレドキシンの抗酸化作用に帰することが示唆された。Tg mouseから分離された星細胞はWT mouseからのものよりは増殖性が低いことが明らかとなった。レコンビナントチオレドキシンの投与はPDGF-BB刺激下で培養星細胞のDNA合成を抑えることも判明した。2)ROCK阻害剤Y-27632による虚血再潅流障害での星細胞活性化抑制効果の検討:ラットにおいて、生体顕微鏡で検討したが、Y27632は類洞血流の改善することが明らかとなった。しかし、この機序として肝微小血管平滑筋の弛緩と白血球膠着抑制によることは分かったが、類洞血流に対する星細胞の直接の関与については証明するに到らなかった。また、ラットにエンドトキシンを投与して肝障害を作成し、同様、ROCK阻害剤Y-27632の効果を検討したが、類洞血流の改善がみられ肝障害軽減効果が確認された。3)臨床肝切除症例における術後肝不全に対するN-アセチルシステイン(NAC)の効果:肝切除術後に高ビリルビン血症を来した症例にNACを経腸的に投与したが、ビリルビン値が低下傾向を示した。症例を蓄積して引き続き検討する予定である。
すべて 2003 2002
すべて 雑誌論文 (10件)
J Surg Res 109
ページ: 155-160
Hepatology 37
ページ: 1015-1025
J Surg Res 109(2)
World J Surg 26
ページ: 451-456
Histology and Histopathology 17
ページ: 487-495
J Hepatol 36
ページ: 590-599
World J Surg 26(4)