研究課題
本年度、研究代表者が名大異動後に明らかになったことは、以下の通りである。全例にvirological recurrenceを認め、その時期は術直後から術後50日にわたっていた。3ヶ月以上経過観察できた症例の2/3で組織学的再発(A1orF1以上)を認めた。術前のウィルス量、ないしは術直後のウィルス量と、術後1ヶ月以後のvirological recurrenceの相関はない。術後のウィルス量と組織学的再発は必ずしも相関しない。ウィルス量が高値で遷延した症例で、組織学的再発を認めない症例を1例認めた。一般的な知見と同じく、術後早期に肝機能正常なままに組織学的拒絶が起きていることがある。内科からの知見として、一般的に「ウィルス量が低い程、抗ウィルス剤の効果が見込める」、がしかし、移植後早期に免疫賦活剤であるインターフェロンを使用するのは問題をはらんでいる。我々のデータでは「術後早期に肝機能正常なままに組織学的拒絶が起きていることがある」ことがわかっており、肝炎再発診断のプロトコール肝生検に加えて、早期の抗ウィルス治療を検討する場合、拒絶反応を除外するために肝生検を施行する必要がある。当該補助金による研究は本年度が最終年度であるが、今後ウィルス学的再発のmagnitudeが緩和されることを期待して、ステロイドフリーの免疫抑制療法、術後ウィルス量のovershoot対策としてのウィルス除去療法、についての検討が必要である。
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