研究課題/領域番号 |
14370364
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
相川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40110879)
|
研究分担者 |
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00173419)
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129650)
青木 克憲 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20124927)
関根 和彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90296715)
山崎 元靖 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00296716)
|
キーワード | 高体温 / 低体温 / SIRS / 高濃度酸素 |
研究概要 |
(1)血液細胞、各種培養細胞を用いた、温度変化の細胞機能に与える影響の解析:全血として、健常成人より採血した末梢血をRPMI-1640で希釈し培養した。次に、in vitroの細胞機能の環境温度による変化を検討した。ヘパリン化末梢血を採取した後、培養液で希釈し、種々の温度環境下で振盪しながら培養した。細胞は24時間培養により未刺激でも少量のサイトカインを産生したが、高温環境下においても特にサイトカイン産生は刺激されなかった。次にエンドトキシン刺激に対する反応性を見たところ、低温環境、高温環境のいずれにおいてもIL-8産生が抑制された。 (2)各種異常環境、熱傷下に暴露された患者の病態解析:高温浴後の意識障害で来院した患者では、血中インターロイキン(IL)-6,IL-8,IL-10値が高率に異常高値を示すことがわかった。一方、熱傷患者でも受傷後まもなく上記サイトカインが血中で高値をとるが、Th1サイトカインであるIFNγ、IL-18については一定の傾向を確認できなかった。 (3)酸素濃度の細胞機能に対する影響の検討:人血管内皮細胞をマルチガスインキュベータ内で高酸素へ暴露し、単独および細菌内毒素などの刺激物質共存下での細胞機能に対する影響を検討した。高濃度酸素(90%)単独ではIL-8遺伝子発現量に影響がなかったが、細菌内毒素共存下では、IL-8遣伝子発現が有意に亢進した。現在その機序を解明すべく、細胞内刺激伝達系酵素の解析を行っている。また次年度以降、遺伝子発現を誘導し得るクリティカルな酸素濃度を明らかにすべく追加検討中である。 (4)熱傷・敗血症または敗血症単独マウスの病態に及ぼす体温変動の影響:Balb/cマウスの背部に、30%III度熱傷創を作成し、7〜11日後に、微量の細菌内毒素を尾静脈より投与すると、有意に死亡率が増加した。本年は、まず熱傷負荷後の各種サイトカイン変動を検討した。各種Th1サイトカインの中で、IL-18が有意に低値を示した。
|