研究課題/領域番号 |
14370364
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
相川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40110879)
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研究分担者 |
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129650)
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00173419)
山崎 元靖 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00296716)
葉 季久雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00327644)
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キーワード | 高濃度酸素 / インターロイキン18 / 熱傷 / 凝固因子 / 好中球エラスターゼ |
研究概要 |
1.血液細胞、各種培養細胞を用いた、温度・酸素濃度変化の各種細胞機能に与える影響の解析:本年度は、インキュベータ内に設置したCCDカメラを用いて細胞動態を連続的に観察し、環境変化の細胞への影響を直接可視的に捉えることを主眼とした。臍帯静脈血管内皮細胞を連続的に観察すると、正常環境下では活発に移動・増殖していた。Lipopolysaccharide (LPS)、tumor necrosis factor (TNF)の存在のみでは、特に細胞動態、生存率への影響を認めなかったが、高濃度酸素暴露下でTNFが共存すると、細胞は48時間以内にほとんどが死滅した。 2.各種異常環境に暴露された患者の病態解析:SIRSを呈した救急患者、ICU入室患者64名を対象に、本年度は各種凝固マーカー、好中球エラスターゼ関連因子を検討した。各種因子の中で、D-dimerとTAT,PIC及びe-XDPが有意に相関した。またSIRS患者のうちARDS患者群において、fibrinogen,D-dimer,好中球エラスターゼ/α1AT複合体、e-XDPが高い傾向を認めた。 3.熱傷・敗血症または敗血症単独マウスの病態に及ぼす体温変動の影響:Balb/cマウスの背部に、約30%のIII度熱傷創を作成し、7〜11日後に微量の細菌内毒素を投与する系において、肝のIL-18含量が熱傷後7日まで漸減することを昨年確認した。そこで本年度は、IL-18の補充による生存率、免疫変動への影響を解析した。その結果、少量IL-18の補充により、生存率が有意に改善した。さらにIL-18補充による免疫機能への影響を調べたところ、IL-18補充によって、MIP-2の産生が抑制されるなど、抗炎症効果を発揮していることが明らかとなった。
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