研究分担者 |
青木 克憲 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20124927)
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129650)
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00173419)
関根 和彦 Harvard大学, 医学部, 助手 (90296715)
葉 季久雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00327644)
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研究概要 |
1.血液細胞、培養細胞を用いた、環境温度、酸素濃度変化の細胞機能に与える影響の解析:細菌内毒素(LPS)刺激ヒト全血を種々の温度環境下で培養したところ、低温環境、高温環境のいずれでもIL-8産生が抑制された。 次に人血管内皮細胞を単独およびLPS等の共存下で高濃度酸素へ暴露し、細胞への影響を検討した。IL-8遺伝子発現は、LPS共存下で有意に亢進し、高濃度酸素下でLPS刺激30分後にリン酸化JNKの発現量が特に増加した。一方、CCDカメラを用いて細胞動態を連続的に観察したところ、LPS、TNFのみでは細胞動態、生存率への影響を認めなかったが、高濃度酸素暴露下でTNFが共存すると、48時間以内にほとんどの細胞が死滅した。 2.各種異常環境、熱傷下に暴露された患者の病態解析:高温浴後の意識障害で来院した患者では、血中IL-6,IL-8,IL-10値が異常高値をとり、熱傷患者では同サイトカインが高値、IL-18が低下した。次にSIRS患者50名を対象に、血中各種サイトカイン、HGFを検討し、TNFα、IL-6,IL-8,IL-10,HGFが高値をとったが、HGFと他のサイトカインの値の間の相関は低かった。さらに、SIRS患者64名で凝固、好中球エラスターゼ関連因子を検討し、D-dimerとTAT, PIC及びe-XDPが有意に相関し、ARDS患者群でfibrinogen, D-dimer,好中球エラスターゼ/α1AT複合体、e-XDPが高い傾向を認めた。 3.熱傷・敗血症マウスの病態解析とこれに基づく新規治療法の開発:Balb/cマウスに30%III度熱傷創を作成し、11日後に微量LPSを投与すると、有意に死亡率が増加し、肝臓のIL-18含量が熱傷後7日まで漸減することがわかった。さらに少量IL-18の補充が生存率を改善し、MIP-2の産生が抑制するなど、抗炎症効果を発揮していた。
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