研究概要 |
消化器由来の培養細胞癌細胞株におけるREG遺伝子、REG蛋白質、REG蛋白受容体の発現の有無を検討するために、東北大学細胞資源センター(工藤俊雄教授)から計49種類の培養癌細胞を供与して頂き、これらからRNA,蛋白質を抽出し、ノーザンブロット法、ウエスタンブロット法、定量PCR法、免疫染色を施行した。 これまでの検討で、REG遺伝子、REG蛋白およびREG受容体は、大腸癌培養細胞株であるSW948,SW1417,COLO205,HCT15、および胃癌培養細胞株であるKATOIII,MKN28,AGSに発現していることを明らかにした。 次いで、ヒト肝臓癌・膵癌・胆道癌・胃癌・大腸癌等の消化器癌の実際の臨床で得られた癌組織においてのREG遺伝子の発現およびREG蛋白の発現を検討するために、東北大学倫理委員会の承認を受け、東北大学病院肝胆膵外科・消化器外科で患者から同意が得られた肝臓癌・膵癌・胆道癌・胃癌・大腸癌をそれぞれ約100症例収集した。癌組織の一部を液体窒素中に保存し、一部はRNA抽出に使用し、残りの組織は免疫染色用に組織切片を作製した。現在までに約半数の組織のtotal RNAの抽出と組織切片の作製を終了した。また、REG遺伝子の発現の有無、REG蛋白受容体の発現の有無と、予後などを含めた臨床病理学的項目との相関を検討するために、現在まで入手した症例の入院及び外来診療録、画像診断、形態病理診断、組織型、深達度、ステージ、腫瘍マーカー、再発形式、生命予後等に関して調査を加え、現在までに詳細なデーターベースを作製した。
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