研究概要 |
昨年度に引き続き,ブタNKT細胞同定のための,抗ブタNK抗体の作成を中心に研究を進めている.昨年度の反省より試行錯誤を繰り返し,手技的にブタのリンパ球をより純粋な状態で取り出せるようになった.それらを,マウスに免疫し抗体産生細胞をいくつかクローンニングしたが,ブタNK細胞を認識できるようなモノクローナル抗体の作成にはいたっていないのが現状である.現在,ブタのリンパ球からNK細胞と思われる分画を抽出する方法を思案中である.また,より抗原性の強い蛋白を抽出できるよう実験を繰り返している.免疫動物をマウスだけでなくラットやウサギにすることも考えている. 一方,ブタ小腸移植実験の手技は安定し,手術直死は少なくなってきたが,生存してもなかなか長期生存するブタはいない.また,死因も拒絶反応のためか感染症のためか解剖して組織をみても判断がつかないのが現状である.もう少し実験を繰り返し成績を安定させてから,α-GalCerの投与実験を行ってみるつもりである. 小腸移植は,マイクロサージャリーの技術があれば,消化器外科医であれば手技的には誰にでもできる手術と考えている.しかし,ヒトではほとんど成功していず,その理由として拒絶反応が強いことがあげられる.今回の研究では,その手技の安定とその拒絶反応をNKT細胞によっておさえられないかを調べることが目的である.そのためには抗ブタNK抗体の作成をおこなわなければならず,次年度にむけ実験を遂行中である.
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