研究課題
基盤研究(B)
1.樹状細胞(DC)が成熟化する前の時期に腫瘍抗原でパルスすると、最も効率的に特異的キラー活性を有する活性化リンパ球を誘導することが判明した。また、DCを成熟化させる過程で腫瘍壊死因子(tumor necyosis factor(TNF)-α)を添加すると、CD83陽性の成熟DCが増加し、高い細胞傷害活性を有するリンパ球を誘導できた。2.DCが効率的に特異的キラー活性を有する活性化リンパ球を誘導するための腫瘍抗原パルスに際して、p53の発現形式がwild typeの腫瘍細胞では低用量CDDP+5-FU処理が、p53 mutant typeまたはp53 deficient typeの腫瘍細胞では凍結・融解処理が望ましいことが判明した。また、核の断片化によるアポトーシスの程度を示す指標であるsub G1量をフローサイトメトリーにて解析した結果、p53 wild typeでは5-FU・CDDP処理の場合の方が、p53 deficient typeでは凍結・融解処理の方がsub G1量は多かったことから、特異的キラー活性は、樹状細胞パルスに用いる腫瘍抗原のsub G1量の多寡に影響を受ける可能性が示唆された。3.健常BALB/cマウス脾細胞にcolon 26を凍結・融解処理して得られた腫瘍抗原を添加すると、Th1系(IFN-γ、TNF-α)、Th2系(IL-4、IL-10)のいずれのサイトカインも産生が誘導されたが、PSKの添加によりTh2系の産生は有意に抑制された。一方、胃癌細胞株を凍結・融解処理して作製した腫瘍抗原で健常人末梢血単核球を刺激した場合にもIFN-γ、TNF-α、IL-10の産生が誘導されたが、この実験系にPSKを添加すると、Th1系は増加したのに対し、Th2系は減少した。これらの結果から、凍結・融解処理腫瘍抗原でパルスして成熟樹状細胞を誘導する際に非特異的免疫賦活剤を併用することで、より高い抗原提示機能を有するDCが得られる可能性が示された。
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