研究課題
消化管を構成する組織は大きく分類して内側から粘膜上皮、粘膜下結合織、筋層、漿膜である。この消化管組織の中に消化液を分泌する腺組織や自律神経系の神経が分布する。本研究の再生研究ではin situ Tissue Engineeringの手法を用いて消化管の全層の再生を試みた。再生の足場にはコラーゲンスポンジとPGA不織布を、細胞としては周囲から動員される自己細胞に期待した。ビーグル犬で胃、小腸、大腸、総胆管における欠損の補填実験を行い、各組織の再生能を検討した。すると、このシステムでも粘膜上皮と結合織ならびに腺組織は極めて早期に再生することが判明した。しかしながら消化管を構成する筋組織(主に平滑筋)の再生が見られなかった。このためFGFやTGFβなどの増殖因子を併用したりしたが、筋肉の再生は十分ではなかった。これは筋原細胞の欠如と血流の不足によると考え、そこで最終年度には、筋肉の前駆細胞を自己筋肉より分離培養して増殖させ、その細胞を使いつつ、VEGF等の血管誘導因子を併用して筋組織の再生を試みた。このシステムを用いることにより、家兎の大腿骨の筋肉ではあるが再建早期より筋組織様の形態をもった組織が再生してくることを確認した。また平行して、消化管に分布する自律神経の再生の研究を行った。これは末梢の運動神経、感覚神経の再生研究をふまえたものであり、生体内吸収性の人工神経管で内臓神経のdefectをbridgeする方式である。斯くの如く、本研究では消化管の組織が大型動物でもin situ Tissue Engineeringの手法を用いれば再生可能であることが確かめられ、今後の臨床応用への扉を用いたものと思われる。
すべて 2004
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