研究課題/領域番号 |
14370387
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山本 雄造 秋田大学, 医学部, 教授 (70281730)
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研究分担者 |
宮澤 秀彰 秋田大学, 医学部, 助手 (10323148)
佐藤 勤 秋田大学, 医学部, 講師 (90235367)
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キーワード | PDE / ミルリノン / オルプリノン / NKH477 / 肝阻血再灌流障害 / cAMP / PDTC / HO-1 |
研究概要 |
血圧への影響、さらにオルプリノンとNKH477の併用による相加/相乗効果の有無に関して検討した。その結果、再灌流のGPTを例にとるとコントロール3751IU/1にして、オルプリノン単独で1725IU/1と半減したが、NKH477単独は2115IU/1とオルプリノンに及ばなかった。両者を併用した場合には1434IU/1であった。これら、3者の使用法の間に有意さは認めないものの、cAMPの分解抑制剤が及ぼす効果の上に産生促進効果が加わることにより最終成果が相加になることは虚血再灌流保護のメカニズムが理論に沿っているとを裏付けるものと考えられる。これらの効果を得るためのそれぞれの薬剤の血圧に及ぼす効果はオルプリノンで2γ、NKH477で0.1γまでは100mmHgをきることはなく、それぞれの併用でも同様であった。ミルリノンの場合、GPTを半減させる5γ使用した場合に血圧は100mmHgになりやすいことを考えると、2γで血圧への影響が少なく使用できるオルプリノンの有用性が伺われた。 ストレス応答の過程で重要な細胞内インフォメーション伝達物質であるNF-κBの活性化を抑制するとされるPDTCの効果を調べたところ、興味深いことにPDTCは肝細胞にHO-1を誘導し、虚血再灌流に際してCOの産生を促し、これによる肝類洞の著明な拡張を促し、PDE-III阻害剤と同様に保護効果を示した。PDE-III阻害剤では肝類洞での接着分子の動向に影響があったものの、類洞拡張は伴っておらず、同様の保護効果をもたらすPharmacologicalな細胞内インフォメーション伝達への介入法であってもそのシグナルの動きは異なるものであり、生物の侵襲に対する防御機構の複雑性と多様性を物語るものである。
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