研究課題/領域番号 |
14370393
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
三高 俊広 札幌医科大学, 附属がん研究所, 教授 (50231618)
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研究分担者 |
竹田 寛 札幌医科大学, 附属がん研究所, 助手 (00333310)
吉川 大和 札幌医科大学, 附属がん研究所, 助手 (20274227)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
桂巻 正 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50253993)
水口 徹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30347174)
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キーワード | 小型肝細胞 / 幹細胞 / 体外肝組織 / 細胞移植 / 3次元培養 / 小型肝細胞特異的遺伝子 / 肝細胞置換 / 低重力環境 |
研究概要 |
ラット小型肝細胞に特異的に発現している膜貫通型蛋白質をコードする3つの遺伝子CD44,BRI3,D6.1Aを特定した。そのアミノ酸配列より細胞外ドメインに相当するペプチドに対する抗体を作製した。3種の蛋白質に対する抗体を用いて、肝組織における小型肝細胞の局在を検討した。正常ラット肝臓小葉内には3種の抗体に反応する肝細胞は存在しなかったが、ガラクトサミンで劇症肝炎を起こしたラットでは陽性の小型肝細胞が門脈周囲に出現した。また抗体を用いてソーティングした細胞を培養すると小型肝細胞のコロニーを形成し、PCRにより肝細胞マーカー遺伝子を発現していることを確認している(論文投稿中)。現在それぞれの遺伝子の発現機構の解析を行っている。 培養し細胞数を増やしたラット小型肝細胞の同種ラット脾臓・肝臓への移植を試みた。放射線照射と部分肝切除を組み合わせることにより、ドナー細胞のレシピエントへの生着と増殖を促した。その結果、小型肝細胞は肝臓・脾臓共に生着したが、分離直後の成熟肝細胞の場合と比較すると肝臓での置換率は低かった。脾臓への生着率は小型肝細胞の方が良く、索状構造を作り生着した。無アルブミンラットをレシピエントとしてドナー細胞の肝細胞機能を血清アルブミン値で推測すると移植後徐々に血清アルブミン値は上昇した(論文投稿中)。 In vitroで肝組織を作るために、低重力環境下での3次元回転培養を試みた。小型肝細胞のコロニーを様々なスキャフォールドと組み合わせて培養し、大きな肝組織塊を作る条件を探った。その結果、肝細胞をコラゲナーゼで分離した後に残るグリソン鞘や線維成分を多く含む無細胞化した組織片と小型肝細胞コロニーを共培養した場合に大きな組織塊を形成することが分かった。その組織は、1ヶ月以上アルブミンを分泌していた(論文準備中)。
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