研究課題/領域番号 |
14370398
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
星川 康 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90333814)
|
研究分担者 |
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
遠藤 千顕 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80333813)
鈴木 聡 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (50344669)
松村 輔二 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80281997)
|
キーワード | 低酸素血症 / 慢性呼吸不全 / 胎児ヘモグロビン / hemoglobin F / 薬理学的誘導 / 短鎖脂肪酸誘導体 / 低酸素 / 耐運動能 |
研究概要 |
はじめに、低酸素血症を呈する慢性呼吸不全患者において、高い酸素運搬機能を持つ胎児ヘモグロビン(hemoglobin F)誘導を介した代償機転がそもそも招来されていないかどうかを検討した。Informed consentが得られた肺移植待機慢性呼吸不全患者数名より採血し高速液体クロマトグラフィーにより血中のhemoglobin Fを測定した。その結果、慢性呼吸不全患者血中におけるhemoglobin Fは健常者のそれと同等に極めて低いレベルにあることが明らかとなり、hemoglobin F誘導を介した代償機転が働いていないことが確認された。 次に、ヒトβ globin遺伝子がトランスジェニック(TG)されたマウスを用いて、薬理学的にhemoglobin Fの誘導を試みた。Paceらの方法に準じて、このTGマウスにαmethyl hydrocinnamic acid (AMHCA)や2,2 dimethyl butyric acid (DMB)といった短鎖脂肪酸誘導体を5日間投与し、hemoglobin Fのもととなるγ globin遺伝子がin vivoにおいて薬理学的に誘導されることを確認した。 次いで、既に所有していた嫌気性チャンバーに在宅酸素療法の酸素濃縮機の排気を利用して作成した低酸素ガス発生装置を連結し急性実験用チャンバーとした。また、小動物用定圧チャンバー(飼育用)を設置し慢性実験用チャンバーとした。 γ globin誘導TGマウスとControl TGマウスにおいて、急性低酸素曝露時の運動量、運動後の血中乳酸値、慢性低酸素環境下飼育時の運動量、生存率を評価し、hemoglobin F誘導による低酸素下耐運動能及び生存率の改善効果を確認している。
|