本研究の目的は血管成長因子(VEGF)を選択的に肺血管壁に取り込ませるsystemを確立することにある。Target organである肺の領域に、超音波を照射し、静脈注入した血管成長因子(VEGF)を肺の血管壁に取り込ませる方法はVEGFの血管拡張作用や浮腫促進作用などの副作用が大きく臨床応用が難しいことが判明したため、VEGF遺伝子をPlasmidにconjugateして肺血管に導入する方法を採用した。これまでplasmidが超音波照射により増加した血管内皮のmicroporeや開大したgap junctionから選択的に肺組織に取り込まれることを検証するため、lacZをconjugateしたplasmidを作成してラットと家兎に投与し、超音波照射肺への取込みをβ-Gal染色、Western Blottにて測定して、超音波非照射肺や肝臓等の組織への取込み量と比較した。さらに、plasmid LacZの投与量や超音波強度、照射時間の違いによるLacZの取込みを調べ、現在至適投与方法を検討中である。また接触型レーザー血流計を用いて肺組織内血流測定を行い小動物、大動物とも同機器による血流測定が可能であることを確認し、血流プローベを留置する慢性実験の準備を行った。
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