肺血管成長促進の臨床応用をめざすことを目的に、下記のとおり実施した。 1)生後16週の幼若ratにEZ-Label protein labeling kitで蛍光標識したrecombinant rat vascular endothelial growth factor(VEGF)を100μg/kg静脈内投与する実験群と生理食塩水を静脈内投与するコントロール群を作成し、投与後15分間超音波を両側肺領域に投射した。超音波投射後、2群間でVEGFの肺血管内への取り込み量と局在の違いを蛍光顕微鏡とEnzyme-linked immunosorbent assay(ELIZA)法で検討した。またVEGF投与2週間後に肺の組織を採取し、肺内での肺小動脈の密度を測定して2群間で比較し、VEGF投与により肺血管の成長が促進されることを検証した。さらに肺血管内皮細胞の増殖度を観察するためPCNAとvon Willbrand factorの免疫組織染色を行って、2群間で比較した。 2)生後16週の幼若ratの末梢静脈よりplasmidにconjugateしたLacZを100μg/kg投与し、肺領域に超音波を照射する群と超音波を照射しないコントロール群を作成した。Plasmid投与後1、3日目に肺および肝臓へのLacZ集積をβGal染色で比較した。その結果より超音波を用いた肺血管内皮細胞への選択的VEGF遺伝子導入の可能性を検討した。
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