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2003 年度 実績報告書

移植肺へのIL-10遺伝子導入によるトレランス誘導に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14370401
研究機関東北大学

研究代表者

岡田 克典  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (90323104)

研究分担者 星川 康  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90333814)
松村 輔二  東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80281997)
近藤 丘  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
キーワード肺移植 / トレランス / 遺伝子導入 / IL-10
研究概要

本研究の目的は,移植肺への免疫抑制性サイトカインIL-10の遺伝子導入が,拒絶反応を制御し,さらにレシピエントに移植肺に対する免疫寛容(トレランス)を誘導するか否かについて,ラット肺移植モデルを用いて検討することである.
平成15年度には、MHC不適合の近交系ラットを用い,IL-10を経気道的にドナー肺に導入することで拒絶反応が抑制できるか否かについて検討した.遺伝子導入に際しては,アデノウイルスベクターを用いた.
(研究方法)
BN→Lewの組み合わせで,左肺移植を行った.移植3日前にドナー左肺に経気道的にIL-10遺伝子を導入した群と,β-galactosidaseを導入した(コントロール)2群を作成した.移植後6日目に,移植左肺を摘除し.移植肺の拒絶反応の程度を病理学的にスコアー化して両群間で比較検討した.
(研究結果)
移植肺における拒絶反応のグレード,細胞浸潤のスコア,出血のスコア,壊死のスコアともに,両群間で統計学的な差異は認められなかった.
(考察)
IL-10の遺伝子導入では,移植肺の拒絶反応は抑制できないという実験結果を得たが,この結果は,我々が行った心移植モデルを用いた実験の結果と相反する.拒絶反応のグレードに差が見られなかった原因の一つとして,アデノウイルスベクター自体が炎症を惹起し,これが特に炎症細胞の多い肺で顕著に起こった可能性も考えられる.今後は,遺伝子導入に用いるベクターとして,liposomeなど炎症を惹起しないものを用い,IL-10の遺伝子導入が移植肺の拒絶反応を抑制するか否かについて検討する.

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Oyaizu T, Okada Y, et al.: "Reduction of recipient macrophages by gadolinium chloride prevents development of obliterative airway disease in a rat model of heterotopic tracheal transplantation"Transplantation. 76. 1214-1220 (2003)

  • [文献書誌] 岡田克典, 近藤 丘: "肺移植の適応とレシピエント選択基準"日本臨床. 61. 2205-2211 (2003)

  • [文献書誌] 岡田克典, 近藤 丘: "COPDと肺移植"診断と治療. 91. 2255-2259 (2003)

  • [文献書誌] 岡田克典, 近藤 丘: "特発性間質性肺炎の臨床-肺移植-"日本胸部臨床. 62巻増刊. S121-S127 (2003)

  • [文献書誌] 岡田克典, 近藤 丘: "小児の心臓・肺移植"松田 暉編, 日本医学館. 121 (2003)

  • [文献書誌] 岡田克典, 近藤 丘: "胸部移植プロトコール集"北村総一郎, 黒澤博身, 近藤 丘, 清水信義, 松田 暉, 和田洋巳編, メディカルビュー社. 96 (2003)

  • [文献書誌] 岡田克典, 近藤 丘: "臨床呼吸器外科-第2版-"渡邊洋宇, 藤村重文, 加藤治文編, 医学書院. 539 (2003)

  • [文献書誌] 岡田克典, 梅津慶子, 近藤 丘: "臓器移植ナーシング"添田英津子編, 学習研究社. 195 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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