研究課題
基盤研究(B)
心肥大や心不全などの病態時に認められる、難治性・致死性不整脈の病因にはイオンチャネルの機能異常やリモデリングの関与が知られているが、その分子機構に関しては未だ不明な点が多い。本研究では、これらを解明するために(1)実験的に作成した心肥大モデルラット、(2)遺伝性心筋症モデルハムスターを用い分子生物学・電気生理学的手法で検討を行った。(1)腹部大動脈狭窄により作成した心肥大ラットでは心筋細胞膜のClC2,HCN2,HCN4の発現に変化が認められた。これらのイオンチャネル蛋白のmRANの発現量は肥大作成の初期に減少、後に増加をする二相性の変化を示した。これらチャネルのリモデリングはアンジオテンシン受容体拮抗薬およびCa拮抗薬により予防できることが判明した。(2)遺伝性心筋症ハムスター(J-2-N)は心電図異常、不整脈の多発を認め且つ心不全を発症するが、電気生理学的特性は正常ハムスターに比べ一過性外向きK電流、Caチャネルの機能が低下しており、そのために頻度依存性変化に異常が認められた。本研究ではヒトにおけるQT延長症候群、Brugada症候群、特発性心室細動などの成因であるイオンチャネルの遺伝子異常と病態発現機構の検討も行った。I_<KR>をコードするhuman-ether-a-go-go related gene (HERG)チャネルの変異株(112fs/147)を用いた検討の結果、HERGチャネルのC末端の異常により、チャネルの細胞膜への移動が抑制され、HERG電流の減少を来たしていることが判明した。また、QT延長症候群の原因遺伝子であるKCNQ1の変異株(Ala178fs/105-KCNQ1)ではチャネル蛋白の細胞膜への移送が抑制されていることを明にした。以上、心臓の病態・不整脈発現の病因としてイオンチャネルのリモデルリングの分子機構を明らかにした。
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