研究課題/領域番号 |
14370409
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
小野田 幸治 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (70260601)
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研究分担者 |
吉田 恭子(今中 恭子) 三重大学, 医学部, 講師 (00242967)
吉田 利通 三重大学, 医学部, 教授 (80166959)
矢田 公 三重大学, 医学部, 教授 (80093152)
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キーワード | テネイシン-C / グラフト吻合部狭窄 / 細胞外マトリックス / 内膜肥厚 / 動脈狭窄モデル / 免疫組織化学 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
1.テネイシン-Cノックアウト(以下TNKO)マウスを用い、動脈グラフト吻合部狭窄モデルとして、マウス腹部大動脈を長軸方向に5mm切開し、切開部を実体顕微鏡下に11-0ナイロン糸にて単結節にて縫合した。 2.上記手技を8週齢のTNKOマウスと野生型マウスに施行。14、28日後に犠牲死させ、吻合部の新生内膜の形成を比較検討し、吻合部新生内膜形成におけるテネイシン-C(TN-C)の直接的作用を検討した。 3.野生型マウスでは、14、28日後共に、縫合部位に著明な新生内膜形成を認め、新生内膜にはα-Smooth Muscle Actin陽性細胞が多数認められた。TN-C蛋白は14日後は新生内膜と縫合線周囲の中膜に強い発現を認め、28日後は新生内膜に発現を認めたが、中膜には認められなかった。TNKOマウスでは、新生内膜形成は野生型マウスに比べ明らかに抑制され、その内膜/中膜比は野生型に比べ、14日後で62.9%、28日後で69.5%減少した。野生型マウスの新生内膜にはAlcian blue陽性proteoglycanが多く認めら、TNKOマウスではその発現が減少していたものの、明らかに発現が確認できた。 4.この結果はTN-Cが吻合部狭窄における新生内膜形成の初期段階におけるkey moleculeであることを直接的に証明するものである。また、proteoglycanも新生内膜形成の初期段階に関与する細胞外マトリックス蛋白である可能性を示唆した。 5.今後の展開として、マウスの腹部大動脈を頸動脈に移植するモデルを確立したため、TNKOマウスと野生型マウスを用い、グラフト吻合部新生内膜のTN-Cがhost細胞由来かrecipient細胞由来かを検討し、グラフト吻合部狭窄進展機序の解明を更に進める。
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