| 研究課題/領域番号 |
14370420
|
|---|
| 研究機関 | 産業医科大学 |
|---|
研究代表者 |
安元 公正 産業医科大学, 医学部, 教授 (30150452)
|
|---|
| 研究分担者 |
山下 智弘 産業医科大学, 医学部, 助手 (30341530)
竹之山 光広 産業医科大学, 医学部, 助手 (10309966)
杉尾 賢二 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70235927)
|
|---|
| キーワード | 肺癌 / 腫瘍抗原 / CTL / SEREX |
|---|
| 研究概要 |
大細胞肺癌症例A904の所属リンパ節リンパ球を、CD80分子を移入した株化した自己腫瘍(A904L-B7)で刺激培養後、限界希釈法により自己腫瘍特異的CTL cloneを樹立した。このCTL cloneは日本人に多いHLA-A24拘束性に自己腫瘍および他の肺癌細胞妹も殺傷することより、HLA-A24拘束性の共通抗原を認識すると考えられる。このCTL cloneをプローブとし自己腫瘍からcDNA libraryを作成してcDNA expression cloning法により、CTL cloneの認識する抗原をコードする617アミノ酸のORFを含む3339bpのcDNA cloneを単離同定した。このcDNA cloneは既知遺伝子のsplicing formのひとつであり、minigeneを作成することによりCTLの認識する9merのエピトープペプチドを同定した。一方、同症例の腫瘍組織をSCIDマウスに移植することによりマウス血清中に腫瘍内浸潤B細胞由来のヒト型IgG抗体が産生される。このIgG抗体をプローブとし自己腫瘍から作成したcDNA libraryを用いてSEREX法により抗体の認識する腫瘍抗原同定を行ったところ、9つの未知遺伝子を含む22の遺伝子を単難した。この遺伝子の中にはtransmembrane domainを持つものが4つ含まれており、今後の解析により癌特異的な抗体療法の可能性も示唆された。SEREXで同定された抗原の一つは変異型p53であり、同症例のリンパ球を変異を含むp53由来ペプチドで刺激培養したところ、自己腫瘍も障害する変異型p53ペプチド特異的CTL cloneが得られた。このことより同一腫瘍抗原に対して、液性および細胞性免疫応答が同一患者に存在することが証明された。CTLに関してはさらに3症例、SEREXでは他に2症例の肺癌患者での腫瘍抗原同定を進めている。
|
