研究課題/領域番号 |
14370424
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
黒田 敏 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10301904)
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研究分担者 |
矢野 俊介 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員
七戸 秀夫 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員
関 俊隆 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員
多田 光宏 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10241316)
池田 潤 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70332468)
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キーワード | bone marrow / stromal cell / central nervous system / cerebral infarct / spinal cord injury / transplantation / differentiation |
研究概要 |
本年度の研究計画に沿って、以下の研究を実施した。 1)マウス大腿骨より骨髄間葉系細胞を分離し、マウス脳梗塞あるいは脊髄損傷モデルに移植する実験系を確立し、今年度、Neuropathology誌に掲載された。 2)GFP遺伝子を発現したトランスジェニック・マウスから、同様の手技で骨髄間葉系細胞を採取し継代培養を確立した。継代培養を重ねてもこれらの細胞がGFPの蛍光を発することを倒立型蛍光顕微鏡で確認した。この細胞をマウス脳梗塞あるいはラット脊髄損傷モデルに移植したのち、移植した細胞が脳や脊髄の中を病変部に向かって遊走する様子を最長12週間にわたって動物が生きたままの状態で観察する実験系を確立した。この所見は組織学的にも確認された。それぞれの結果は、Brain Res誌、J Neurotrauma誌に投稿中である。 3)移植された骨髄間葉系細胞が神経細胞に特異的に存在するベンゾジアゼピン受容体を保護するかどうかを検証する目的で、マウス脳梗塞モデル、ラット脊髄損傷モデルを用いて、^<125>I-iomazenil autoradiographyを実施した。その結果、細胞移植が脳梗塞モデルにおいて脳梗塞周囲におけるベンゾジアゼピン受容体を保持する役割を有していることが判明した。現在、この結果を投稿準備中である。 4)脳・脊髄に移植された骨髄間葉系細胞を生体内で追跡し、神経回路網の再構築の様子を生体内で観察する目的で、MRIによるマウス脳梗塞モデル、ラット脊髄損傷モデルの画像化システムを確立した。骨髄間葉系細胞はMRI造影剤で標識することで生体内において最長12週間、追跡可能であることを確認した。来年度には神経回路網の再構築を画像化する予定である。
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