研究概要 |
手術によって得られた、下垂体腫瘍組織の6umの凍結切片状を作り、免疫染色を行った後、100個の細胞を、レーザーマイクロダイセクションし、mRNAを抽出すれば、RT-PCTにより増幅すれば、mRNA発現の有無を確認するに必要な情報量が、得られることが判明した。この設定条件下で、目的とするreceptorの発現量を解析すべく実験を試みた。 先に、われわれは、TGF beta RII遺伝子のcodon389のSNPとTGF beta RIIのmRNA,蛋白質発現とは相関する事を見いだしたが、このcodon389のSNPと、薬効にっいてもgenomic DNAを用いて並列して検討を行った。 PRLoma症例のうちCB-154の有効な症例、と無効な症例の間にTGF beta RII遺伝子のcodon389のpolymorphismと関係があるか否か検討した。16名の患者の血液及び腫瘍からDNAを抽出し、TGF beta RII遺伝子のsequenceを行った。その結果7例でpolymorphismが確認された。しかしpolymorphismの有無と、CB-154の有効な症例、と無効な症例との間に相関は認められなかった。 しかし、腫瘍組織にpolymorphismのあった症例(何れもヘテロ)の血液を調べると、2例でsomaticには、異常が、なかった。即ち、腫瘍化に伴い、polymorphismは生じたものであることが判明した。このTGF beta RIIの発現に及ぼす、他のシグナル伝達形に異常がないか否か、特に、menin, Smad3との関係について着目し、検討を行った。検討は、未だ未完成に終わった。
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