研究課題/領域番号 |
14370426
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 明夫 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60302725)
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研究分担者 |
楚良 繁雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60359627)
小野木 雄三 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90233593)
光石 衛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90183110)
望月 亮 NHKエンジニアリング, 先端技術事業部, 部長(研究職)
深谷 孝 オリンパス光学, 外科事業推進部, 開発グループ研究リーダー
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キーワード | 脳神経外科手術 / ロボティックサージェリー / スレーブマスター型マニピュレーター / 微小外科手術 / Microsurgery / 血管吻合 / 低侵襲手術 / 遠隔医療 |
研究概要 |
頭蓋内深部における複雑な脳神経外科手技は極めて困難である。我々は深部においても極めて微細かつ正確に手術操作を可能とするマスタースレーブ型ロボッティックマニピュレーターを用いた脳神経外科手術システムを開発している。平成14・15年度に共同研究者の光石研究室にて新たに製作されたロボティックマニピュレーターを用いて、さまざまの脳神経外科手術を模擬した実験を行った。 このシステムは小型でかつ自由度が大きく、特に深部で広い範囲の操作ができるようなシステムである特徴は直径5mmの2本の細径のロボティック鉗子の先2cmが左右90度の範囲で屈曲できるようにし、それぞれの鉗子は軸中心に回転でき、また並進方向は100mm程度の伸縮、不動点回りに-10度から+10度まで回転を可能とした。鉗子はモーターにより開閉、Rガイド下の安全・確実な動作が可能である。また視野装置としてNHKエンジニアリングが開発中の高精彩テレビ3次元画像表示システムを用いた。 12cmの深さ・5cm幅における術野においてポリエチレンチューブ縫合予備実験の後、ラットの頸動脈縫合実験を行った。また動作精度の人間の手との比較、死体頭蓋を用いた実際の手術を模擬した操作実験を行った。 ラットの頸動脈は平均0.8mmであるが、12cmの深さ、5cm径の操作範囲でも十分開存を保った縫合が可能であった。この縫合は、顕微鏡下に手で行うことは不可能であった。ロボット操作は人間の手よりも正確であったが、時間を要するのが問題点として挙げられる。 また死体頭蓋の実験において、通常顕微鏡下手術操作の困難な領域でも手術操作が可能であることが判明した。 ただし現段階では、操作に時間を要すること、マニピュレーターの衝突とうの問題がまだ認められるため、次年度では衝突を避けるマニピュレーター、焦点・拡大変動出来る視野装置、自動運動、滅菌性等を開発し、大型動物での実験と、臨床応用をめざす。
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