研究課題
基盤研究(B)
【目的】深部における微細手術を可能とすることを目的としてRobotic Microsurgery Systemを構築した。その基本構築と基礎実験結果について発表する。【方法】マスターマニピュレーターにより制御される径5ミリ長さ18センチ、先端が機械式可曲な6自由度をもつロボティック把持鉗子2本を6自由度の架台に装着したマイクロサージェリーロボットを製作し実験を行った。実験はfree hand手技に比較した精度の測定、径1ミリのラット頚動脈の横切開または完全離断を深い(>9cm)術野の中で縫合した。途中機器の改良を行いつつ、計20匹にWister ratを用いて実験を行った。また通常の脳神経外科手技を模して死体頭蓋による模擬実験を行った。光学系としてNHKエンジニアリングの開発した高画質ビデオカメラ顕微鏡および6インチ高精彩液晶モニターを使用した。【結果】ロボティッククマニュプレーターの精度は熟練した脳神経外科医の手よりも優れていた。特に非利き手で深い手術野でその差が有意であった。またラット血管縫合実験では初期10例横切開において80%の実験で開通性ある縫合が可能であった。1針の縫合に約9分を要した。そのうち糸結びが最大の時間を要し、またばらつきも多かった。初期の例と後半の例では時間の短縮が認められた。後半の10例では完全離断の縫合をおこない100%が開存した。死体頭蓋による実験により現機の問題点を抽出した。【結論】今回のシステムでは通常人間の手で不可能なマイクロ操作を確実正確に行うことができた。練習・機器の改良で時間が短縮可能であったが、操作所要時間が現段階では実用可能な範囲とはいえず、機器をさらに改良する必要がある。今後飛躍的に進歩するコンピューター技術により安全・正確かつ低侵襲なロボティックシステムおよび次世代の手術の科学的評価に役立つ手術シミュレーションシステムの開発を目指す。
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