研究課題/領域番号 |
14370429
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
岩間 亨 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20303498)
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研究分担者 |
吉村 紳一 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40240353)
篠田 淳 岐阜大学, 医学部, 助教授 (50273131)
坂井 昇 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021487)
坂野 喜子 岐阜大学, 医学部, 助教授 (50116852)
中島 茂 岐阜大学, 医学部, 教授 (60188935)
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キーワード | アポトーシス / p53 / グリオーマ / 放射線 / セラミド |
研究概要 |
癌抑制遺伝子であるp53はDNA障害性の抗癌剤によるアポトーシスにおいて重要な役割を担っている。しかし、放射線照射では機能的p53を有するヒトグリオーマ細胞はp53が変異した細胞と比較してアポトーシスに抵抗性を示し、その機序にセラミド産生が深く関与している事が示唆された。すなわち機能的p53を有するU87ヒトグリオーマ細胞にタイプ16ヒトパピローマウィルスE6遺伝子を導入することによりp53を失活させたU87-Wild E6では放射線照射による細胞死が増加し、このアポトーシスでは酸性スプィンゴミエリナーゼによるセラミド産生やカスパーゼ3の活性化が連動していた。またp53を失活させたU87-Wild E6では放射線照射によるカスパーゼの活性化や細胞死は細胞内セラミド量を変化させることにより調節された。すなわち、酸性スフィンゴミエリナーゼの阻害剤であるSR33557でセラミド産生を抑制するとカスパーゼの活性化や細胞死は抑制され、OEやPDMPでセラミド代謝を抑制することにより細胞内セラミド量を増加させると放射線による細胞死が増強した。さらに放射線照射による酸性セラミダーゼの発現は機能的p53を有する細胞で強く認められた。これらの結果により、ヒトグリオーマ細胞での放射線照射によるp53非依存性のアポトーシス誘導課程においてセラミドが重要な役割を担っていると考えられた。
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