研究課題/領域番号 |
14370439
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
倉津 純一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20145296)
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研究分担者 |
平野 宏文 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (00264416)
竹島 秀雄 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (70244134)
新納 正毅 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30172612)
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キーワード | グリオーマ / ケモカイン / トロンビン / 血管新生 / 浸潤 |
研究概要 |
本年度の研究実績 1.悪性グリオーマの浸潤性および血管新生についての分子機構について検討した。その結果、血液の凝固に重要な役割を果たすトロンビンの前駆物質がグリオーマ局所に存在し、なんらかの刺激により生じたトロンビンがグリオーマ細胞に存在するトロンビン受容体を介してグリオーマ細胞からの血管新生因子Vascular endothelial growth factor(VEGF)の産生を促すことを明らかにした。また高脂血症の治療薬であるスタチンの一つであるセルバスタチンがグリオーマ細胞の浸潤能を抑制することを見いだし、その機序としてグリオーマ細胞に存在するfocal adhesion kinaseのリン酸化を抑制することを明らかにした。 2.悪性グリオーマ局所へのマクロファージの浸潤にMCP-1が関与していることをこれまでに明らかにしたが、今回リンパ球の浸潤に関わるケモカインの関与について検討した結果、リンパ球遊走因子であるLARCがグリオーマ細胞から産生され、CD8-,CD4-,CD45RO-陽性リンパ球に浸潤関与していることを明らかにした。 3.悪性グリオーマにおいて癌抑制遺伝子であるp53やp16の変異が知られている。今回、これらの遺伝子異常の悪性グリオーマにおける臨床的意義について検討した。その結果、悪性度の違いによりp53の遺伝子変異の部位が異なること、変異の有無は膠芽腫において予後には関連がないが、p16遺伝子の変異は膠芽腫においては予後不良因子であることを明らかにした。
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