研究課題/領域番号 |
14370452
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 基 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00272584)
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研究分担者 |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (30344451)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40282660)
村上 誠 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60276607)
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
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キーワード | プロスタグランジン / 骨 / 破骨細胞 / 骨吸収 / サイクロオキシグナーゼ / 骨粗鬆症 |
研究概要 |
我々は昨年までのin vitroの培養系における実験で、骨組織に多量に存在するmPGESは骨吸収の重要な調節酵素であることを示した(J Cell Physiol 197 : 348, 2003)。本年度はmPGESノックアウトマウスを作成し、その生理的条件下での検討を行った。まず、ノックアウトマウスはtargeting vectorから相同組換えマウスES細胞を用いて作製した。mPGESノックアウトマウスおよび野生型マウスそれぞれの長管骨および椎体について、まずX線撮影を行い、全体の骨密度を測定、さらにマイクロCTによる3次元レベルでの微細形態学的検討を行った。また、長管骨および椎体について、骨芽細胞、破骨細胞に特異的な組織染色法(ALP染色、TRAP染色)を用いて組織学的検討を行った。また、カルセイン二重標識、Villanueva-Goldner染色を用いた骨組織形態計測を行い骨代謝動態を定量化した。その結果、両マウスの間には有意な差は認められなかった。続いてmPGESノックアウトによる細胞・分子レベルでの異常を検討することを目的として、骨髄細胞単独培養、または骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養を様々な刺激条件下でおこない、TRAP陽性多核細胞形成能を測定した。その結果、ノックアウトマウスの培養系では明らかに破骨細胞の形成が抑制されていた。以上より、生理的な条件下ではmPGESは他の因子で代償可能であるが、病的な条件下では骨吸収に重要な役割を果たしている可能性が示された。現在、コラーゲン抗体による関節炎モデル、骨折モデル、尾部懸垂による不動化モデル、卵巣摘出モデルをmPGESノックアウトに作成して、それぞれの病的刺激下での反応を観察している。
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