| 研究課題/領域番号 |
14370454
|
|---|
| 研究機関 | 東京大学 |
|---|
研究代表者 |
阿久根 徹 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60282662)
|
|---|
| 研究分担者 |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40282660)
竹下 克志 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30262009)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授(常勤形態) (30344451)
加藤 茂明 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (60204468)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
|
|---|
| キーワード | cystatin 10 / 遺伝子操作マウス / 骨成長 / 骨代謝 / 軟骨細胞 / 石灰化 / 異所性骨化 / 変形性関節症 |
|---|
| 研究概要 |
本研究では骨・軟骨の形成、再生におけるCst10の役割と制御機構を解明しCst10の医療応用を実現することを目的として、昨年度までに、形態学的、分子生物学的手法を用いたCst10の生体内での発現および局在の解析、および軟骨関連因子の各種遺伝子操作マウスにおけるCst10の発現様式を明らかにした。
本年度は、Cst10ノックアウトマウスを作製し、Cst10ノックアウトマウスの骨組織をレントゲン、マイクロCT、骨密度測定、および組織形態計測によって解析し、野生型マウスと比較検討した。また、骨・軟骨組織を組織学的、組織化学的に解析し、野生型マウスと比較検討し、骨・軟骨基質の性状を評価するためにI、II、X型コラーゲン、アグリカンの局在および発現を免疫組織化学あるいはin situ hybridization法で検索するとともに、破骨細胞、骨芽細胞、軟骨細胞の活性を酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼやアルカリ性ホスファターゼなどを用いて同定した。その結果、ノックアウトマウスでは、成長板での石灰化層および一次海綿骨の減少が見られたものの、骨成長や骨代謝の著しい障害は見られなかった。しかし、高齢マウスにおいてはCst10ノックアウトマウスで異所性骨化の抑制が観察され、また我々が樹立した変形性膝関節症モデルを野生型マウスおよびCst10ノックアウトマウスに作製し関節症性変化を評価したところ、Cst10ノックアウトマウスにおいて変形性関節症に伴う骨棘形成が抑制されていた。
これらの所見から、Cst10は、軟骨細胞石灰化の抑制作用を有し、生理的な骨代謝や骨成長には影響を及ぼさないものの、異所性骨化や変形性関節症の病態に関与している事が明らかとなった。
|
