研究課題
破骨細胞分化促進因子であるRANKLは骨芽細胞表面に発現し、破骨細胞前駆細胞表面に発現したRANKに結合することにより破骨細胞の分化およびその機能発現に促進的に働く。RANKLには膜結合型と可溶型があり、膜結合型RANKLが膜近傍のstalk regionで切断されることにより可溶型RANKLが生じると考えられている。しかしながら可溶型RANKL産生の意義やその分子メカニズムは明らかになっていない。われわれはRANKL shedding活性を有する分子を同定するため、RANKLのstalk regionにアルカリフォスファターゼを結合させた融合蛋白発現ベクターを用い、RANKL shedding活性をメディウム中のアルカリフォスファターゼ活性として捉えるというアッセイ法を開発し、ST2細胞cDNAライブラリーをスクリーニングすることによりRANKL sheddingを制御する分子の同定を試みた。これまで10万クローンのスクリーニングを行い、得られたポジティブクローンについて骨芽細胞におけるRANKL shedding活性を検討したところ、Ras-GAP(GTPase-activating protein)として同定されたCAPRI(Ca^<2+>-promoted Ras inactivator)のスプライスバリアントがRANKL shedding活性を有することが明らかになった。CAPRIはCa2+依存性にRasの活性を抑制する分子であるが、われわれが同定したバリアント(ΔCAPRI)はGAP活性を欠損しており、ドミナントネガティブ的に作用すると考えられる。活性型のRas遺伝子発現によりRANKL sheddingが亢進することから、ΔCAPRIはRasの活性化により、RANKL sheddingを誘導する可能性が示唆された
すべて 2004
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Arthritis Rheum 50
ページ: 828-839
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Blood. Dec7(Epub ahead print)